テクノロジーベンチャーを買収した後で発覚する地雷とは?

東芝ウェスティングハウスを買収して、そのせいでつぶれかけてるのは記憶に新しいと思います。

東芝は理解していなかった?「オプション契約」の落とし穴 - ライブドアニュース

あれは金額が大きかったので大変なことになりましたが、実はテクノロジーベンチャーM&Aでも多かれ少なかれ発生することです。

私は原発はわかりませんが、ソフトウェアにはそれなりに詳しいので、ソフトウェアのテクノロジーベンチャーに置き換えて話をしてみましょう。ビジネスやポストM&Aの統合のようなM&Aの花形の話題のほかにも、こんな地雷があるんです・・・

 

知財
テクノロジーベンチャーは、他社の特許調査なんかしてないパターンがあります。
そこらへんのコストは削りに削ってなんとか黒字にしています。(あなたの企業に買収してもらうためにね!)
M&Aしたあと、別の企業に訴えられて本業の儲けまで含めて持っていかれることのないようにしましょう。

 

・契約
ライセンスのデューデリはマジでしっかりやりましょう。
担当者が無料だと思って使っていたライブラリが実は有償で、5年分のライセンス使用料をいきなり支払う羽目になった、なんてことにならないように注意しましょう。

 

・費用
最近だと多くのベンチャークラウドを使ってると思います。請求はグロスで来るのでどれがどこに使われてるのかよくわからなかったりします。それだと事業実態が把握できません。気合を入れてサービス別のサーバ費用を産出しましょう。大変なので数字に強い奴を連れてきたほうが無難です。

あと、せっかく必要なときだけ必要な分使えるクラウドなのに、担当者が忘れていたためにいらんサーバ費用を延々と払い続けているようなことのないようにしましょう。

 

・セキュリティ
コインチェックNEMをぶんどられましたね。あぁいうことも気をつけないといけません。
ベンチャー企業というのは基本的にうるさく怒る人がいないので、売り上げにつながらないことはやりません。
つまりセキュリティも後回しにされている可能性があります。
M&Aしてみたらいきなり仮想通貨を盗まれて、親会社名でプレスリリースを出すなんてことにならないようにしないといけません。
何度も言いますが、ベンチャーはこういうコストを削って黒字にしてるんです。あなたの会社に買ってもらうために。

 

 

ここら辺をどうにかするのはベンチャーにいた人間にはモチベーションがありませんから、M&Aした側がコストをかけてでもどうにかしてやらないといけないことです。

そのコストを払う覚悟があるかどうかが、その企業の今後を決めることでしょう・・・

とまぁ、ベンチャー企業と何かをやるとこのような地雷が各所にありますので、皆さん注意して仕事してくださいね!

 

 

 

 この本はM&A後のあれこれに書かれたかなり良い本です。色々心構えやアクションが書いてありますが、参考になります。怠るとろくな事にならないですよ。