アメリカの治安の話はなぜ噛み合わないのか?

私はカリフォルニア(ロサンゼルスの都市部からは離れたOC以南)に住んでいるんですが、体感治安は日本(名古屋、東京)より良いと思ってます。

で、それに関するこのツイートがそれなりにバズりまして、RT数はさほどでもないのですが、かなりコメントが来てます。 賛成も反対もありますが、感覚的には賛成3:反対7という感じでしょうか。

しかしながら、反対意見も過激なものが多く、「銃社会だから日本より安全なはずが無い」「安全なのは金持ち地域だけだ」というようなのが多いです。




なぜ、話が噛み合わないのでしょうか?

アメリカはとても広大です。そのためアメリカ人ですら全部のアメリカを知りません。その上、アメリカに短期滞在した人が自分の体験をもとに「アメリカ」を語るので、話が噛み合わないということになります。

特に、留学や旅行と、実際に家族で生活をする場所はかなり違うので、見えるものがだいぶ変わってきます。

というわけで、人によって大きく意見の変わるポイントを挙げていきます。

  1. アメリカは広くて階層社会
  2. 都市部と郊外で傾向が全く変わる
  3. 日本社会は、成人男性は被害にあいにくい
  4. 日本とアメリカでは犯罪の傾向が違う




1. アメリカは広すぎて階層社会

日本ではほとんどの階層の人が同じ街に住み、同じ電車を使います。だから、いろいろな人と出会います。 でも、こちらでは基本車社会なので、治安の良いエリアと悪いエリアがフリーウェイの出口単位で違います。 そのため、そこそこ治安の良いエリアに住めば、日常生活で悪い人に合う事はほぼありません。 これは別にセレブなエリアでなくても大丈夫です。

日本だと基本的にはお金を積んでも治安は変わりませんが、アメリカで治安の良いエリアに住めば日本より治安が良い、という感じです。つまり、こんな感じですね。

アメリカの治安悪いエリア << 日本 < アメリカの治安良いエリア

とにかく、変な人が隣に引っ越してくることが無い、変な人と日常で遭遇する機会が無い、変な人と関わらなくて良い、というのはとてもストレスフリーです。

Amazonから来た荷物も、玄関にぽんと置いてありますが取られた事はありません。日本なら、絶対無くなってますよね。




2. 都市部と郊外で傾向が全く変わる

米国は、基本的にはそのほとんどが車前提の社会です。高速鉄道が存在せず、米国中に張り巡らされたフリーウェイ網を見てもそれがわかります。

ただし、都市部は別で、治安の悪い場所も結構あります。基本的には安全のはずですが、通り1本隔てて治安がかわるので、このようなことが発生します。




3. 日本社会は、成人男性は被害にあいにくい

日本では、犯罪とカウントされない犯罪がとてもたくさんあります。 そしてその多くは成人男性はターゲットになりづらいです。

痴漢、カツアゲ、いじめ(傷害・恐喝)、ヤクザや半グレや酔っ払いに絡まれる、暴走族・・・こういう犯罪は日本ではとても多く感じます。少なくとも駅や繁華街ではかなり警戒します。海や川でもガラの悪い人たちが集まっていることもあります。

カリフォルニアでは公共の場で飲酒することや、飲んで無くても泥酔することが違法なので、そういう人たちに会う事は基本的にはありません。

だから、非都市部では体感治安がとても良いのです。 また、誰でも女性や子供に親切なので、女性や子供はアメリカの方が治安が良いと感じやすいのではないでしょうか。




4. 日本とアメリカでは犯罪の傾向が違う

これまで書いたとおり、日本と米国では次のような違いがあります。

日本:変な人に絡まれたり痴漢や日常の粗暴犯が多い
米国:銃を用いた殺人や誘拐などの重犯罪が多い

そのため、米国では治安の良いエリアに住むことで犯罪を回避しやすいのですが、遠距離から狙ってやってくる犯罪集団もいるので子供の誘拐はどこにいても注意が必要です。